皐月の雨
kanji
花が 「しとり しとり」 と語り 万の言の葉を浮かべても
いつも傍で笑う お前はもう戻らない
愛知る刃は諸刃の如く 夢絆を断つ上 我が身にふるう
ー眺めせし間にー
逢いたくて逢いたくて 想い馳せるのに言葉さえうつりける世界は無常で
終わらない終わらない 久遠を求めた この詩を皐月の雨に奪われてゆく
忘却を恐れた時から 深く重くのしかかる咎と
泣いて袖を濡らす お前をこの背が知った
愛無き刃は逆刃の如く 想いも断てないまま我が身にふるう
ー長雨せし間にー
切なくて切なくて 思い馳せるのに いたづらに過ぎて行く世界は無情で
足掻くほど足掻くほど 振り払った手の温もりを皐月の雨に奪われてゆく
哀知る刃は抜き身に如く 幾多の季節を超え此の世にふるう
ー殺め、知らば彷徨うー
逢いたくて逢いたくて 想い馳せるのに 言葉さえうつりける世界は無常で
終わらない終わらない 久遠を求めたこの詩を皐月の雨に奪われてゆく
愛しくて愛しくて お前褪せぬように 果てるまで重ねてく願いは無上で
安らかな夢の中 せめて幸く在れ 「振る袖を皐月の雨と濡らさぬように」
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